違う病院にきて、やっと診察の順番がきた。 「体外受精もやりましたがなかなかうまくいかなくて。」 「そういう方多いですよ。そういって皆さんうちにいらっしゃる。うちでは受精卵を2個戻したり、より妊娠確率をあげる治療をします。大学病院ではそういうことはできないんでね。どういった治療を行うかは相談して決めていきましょう。」 なるほど。そういうところが人気の秘密なのかと思った。ただ値段を見てびっくり! 大学病院の1.5倍はする。そして大学病院より遠いし、時間がかかることも考えると、半日の有給休暇では難しいかもしれず、体外受精1回で一体何日休みをとらないといけないのか。 自分が会社の役にたってるかどうか。必要とされてるかどうか。会社っていうのは、誰がいなくなっても、それこそ社長が交代してもまわってはいくもので、それこそ1社員の私が多く休みをとったところで影響は少ない気はする。ただなんだろう、純粋に今やっている仕事を自分の力でやりとげたい、まわりのみんなは優秀な方が多いしで、決して仕事を任せられないなんてことはないのだけれど、そこは自己満足なのかな。自分でやって達成感を得たいだけとも思うけど、どんな理由にせよ1ヶ月内で3日以上の休みはちょっと仕事が追いつかないと思われる。 不妊治療をしていることは、会社には内緒にしていた。2日連続や、数日飛ばしの半日有給休暇があったりと、おそらく気がつく人は気づいていたと思うけど、どうしても必要な場合を除いては自分からも積極的には話さなかった。 なぜ話さなかったのか。それをハンディキャップと思われて、他の人と違う目で見られるのがイヤだった。今のご時世だとマタハラとか色々なハラスメントがあって、不妊治療を理由に差をつけるのもきっとハラスメントにあたるのだろう。でも実際に1つの仕事があって、それを頼もうと思ったときに、「あ、この人は不妊治療してるから違う人に頼もうか。」と思う感情って自然なことで、そう思う人が悪いとは私は思わない。実際他の人より時間の制約のある可能性があるから。自分がそう思われて仕事を与えられないというのが、そうやってまわりに気をつかわせるのが、イヤだった。 それともう一つ。伝えた相手から心ない言葉が返ってくるのも怖かった。一度経験がある。不妊治療をしているというと「自分の知り合いでも不妊治療をしている人がいて、毎日逆立ちしたりしていたけど、結局子供はできなかった。不妊治療をしているというのは子供ができにくいからしているのであって、正直あなたも妊娠は難しいと思う。」とあっさり言われかなりショックを受けたことがあった。 妊娠にしても不妊治療にしても、まわりにきちんと伝えて協力を得るようにというが、正直難しいよね。自分のことは、結局自分が一番よくわかっていて、まわりにどう伝えるかは自分で一番良いと思う判断をするしかないと思う。判断というと難しそうに聞こえるかもしれないけど、単純に自分が言いたければいえばいいし、言いたくなければ隠せばいいと思う。ただいう場合には、思いやりのある相手かどうかは確認した方がいい。心ないことを言われて傷つかないように。 お金が高い、時間が多く必要、この2つのファクターで、残念ながらこの病院にお世話になることはあきらめ、いつもの大学病院で引き続きお世話になることにした。せっかく慣れてうまく時間配分もできるようになってきたところだし。結論というほどの大げさなものでもないですが、いくら良い病院でも遠くに無理していくことはないと思う。自分の事情があるわけだから、お金や通えるかどうか等、トータルで考えて自分の都合に一番合致する病院を選べばいい。 あとから気がつくことにはなるが、この病院でも大学病院でも基本的にやっていることは同じで、最終的に妊娠するかどうかはその本人の体の状態によるため、どこに通っていても妊娠する人はするし、しない人はしないのだと思うから。
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