認知の風 その44 要介護度と私の気持ちの変化

 母の要介護認定の結果が出ました。「要介護4」になりました。3年前の要介護2から一気に2段階進みました。アルツハイマー型認知症との診断を受けてから今で8年が経過したところです。
 要介護3以上なので、これで特養に入居申し込みができます。予想通りというか、予想を裏切られなかったので安心はしました。何がなんでも要介護3以上が欲しかったので、よかったという気持ちもあったとは思うのですが、4という数字を見た時に表情が緩みはしなかったのも事実でした。
 それはうちの母はそんなに悪いのだという認識でした。それはそれで複雑な気持ちになりました。父が亡くなる前には要介護3だったのですが、1人で歩くのも難しい状態だったので、あの父で3ということは4というのがどれだけ悪いのかという実感です。
 以前から書いているように、ここまで悪くしてしまったのには私の対応も大きく影響していると思うのです。全くといっていいほど、母とは楽しい会話もない。おでかけにもほとんど連れていかない。毎日私は怒鳴ってばかり。これだとそりゃ悪くもなりますよね。栄養と運動を気をつけて体力は維持できていますから、あとはいかに毎日を楽しく過ごせるかだけです。
 人間の脳って不思議というか、明らかに脳細胞が委縮してしまっているのに、脳に体力があれば普段に近い生活ができたりもすると聞きます。母も東京に連れてきてからは、それまでよりかなり症状の改善が見られました。今も日によっては調子の良い日もあります。自分の名前がすらすら書ける日もあれば書けない日もある。老化は止められないので認知症でなくても脳細胞は衰えていくわけで、それにどこまで対抗できるのかという話ではありますが、できる限りの抵抗をしていけないかと。
 要介護4という現実を見た時、私の中で何かが弾けたんです。今さらもう遅いのかもしれませんが、母をなんとか少しでも元気な状態に戻してあげられないかと、これからはそれを目標にやっていこうと。今まで散々怒鳴っておいてどうなのかとは思いますが、これからは母に優しく、この家を明るく楽しい家にしていきたい。母がこの家に来た頃のように、週末にはおでかけしたり。週末のせっかくの休みの時間を母に奪われると考えるのではなく、母との楽しい時間として過ごすという思いに変える。今まで散々できなかったことですが、これからならできる気がします。というかやりたい。例えるなら余命宣告された身内に優しくできるようになるというそういう心理に近いのかもしれませんが、「同情」とも少し違うような、今までの罪ほろぼしなんでしょうか。
 今現在母は1週間のショートステイ中でうちにはいません。おかげでというか、今日はのんびり車で買い物に行きました。買ったのは洗剤とかゴミ袋とか日用品メインですが、少しカットソーなんかの服も買って1日を楽しく過ごしました。これからは母がいても、同じように今日という休日を楽しく過ごしたいと思います。
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