認知の風 その2 最初の問題

 認知症の診断には驚いたものの、もの忘れがあるくらいで普通に生活はできていたので、母はそのまま実家で一人暮らしをしていました。ホームに入っていた父のところまで電車で4駅15分ほどを毎日一人で通い、たまに私が実家に帰ることも、その日付の認識もなんとかありました。
 最初の問題は物をなくすことですかね。あれ帽子がない、カバンがない、メガネをどこにおいたっけ?くらいはいいんですが、家の鍵がない、通帳がない、印鑑がない、が始まりました。100均でファイルを買ってきて通帳なんかを一式整理したり、印鑑をまとめてあまり開けない金庫に入れたりしました。家の鍵は通り道の一番置きやすい、目に止まりやすい場所に大きめのお皿を置いて、そこに置こうねと決めましたが、結局そこにはほとんど置けませんでしたね。まあだいたいカバンに入れているので、カバンを探せば出てくるんですが、そのカバン自体がどこにあるのかわからない時もあって困りました。
 そして性格の変化。もともと自分勝手な性格でしたが、それに輪をかけて他人への思いやりがなくなっていったように思います。1週間のうち、デイサービスに1回、ヘルパーさんに2回、家事代行さんに1回来てもらうようにしていましたが、例えば目にゴミが入って痛いとか、ちょっとでも自分に不調があると家事代行さんのせいにして責め立てたりします。もともとプライドの高い人なので上から目線なのですが、それに輪をかけるというか、娘の私でも(というか、娘だからなのか)普通に「こうしたら?」とアドバイスでもしようものなら、「バカにするのもいい加減にして!」と怒鳴り返されます。この病気は否定と教育がダメだと、この時はまだ知らなかったんですね。
 ただこうやって怒鳴り返されるうちは脳が動いている証拠でもあり、介護する側にはつらいことですが、怒鳴るうちが花と認識して対応するしかないようです。
 以上が最初に起こった問題でした。
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