猫の思いやり

 猫はツンデレだといいます。うちの姫々(きき)はほとんどツンがなく、いつも鳴きながら甘えて寄ってきますが、ゴロ吉は一旦は逃げます。功ちゃんいわくは、私が自分の好きなように抱っこしたり、お腹を触ったり足を掴んだり、色々するからゴロ吉が逃げるのだといい、うん、確かにそれも一理あるかと思いますが、抱っこするとちゃんとゴロ吉もゴロゴロいうんですよ。どうも私には「私は猫に好かれている」という全く根拠のない絶対的な自信があるようですがまあ、そんな私は悪くないPRはどうでもいいので横においておいて。
 猫に思いやりがあるのか? ゴロ吉の場合は自分がご飯を食べていても、姫々が来たらご飯を譲り先に食べさせてあげます。ご飯の譲り合いは他の猫同士でも見たことがあり、そういうところからしても猫には思いやりがありそうです。
 まだ学生の頃の話ですが、下痢するちょっと前で、急にお腹が痛くてなり、自分の部屋で痛い痛いとのたうちまわったことがありました。すると、ふかふかの私のベッドの上で優雅に丸くなって寝ていた当時の愛猫がムクっと顔をあげたかと思うと、「にゃーん」と一声鳴き、ベッドから降りて私のお腹の横あたりにピタッとくっついて、じーっと動かないでそばにいてくれたことがありました。どういう気持ちだったのかは聞いていないのでわからないですが、お腹を痛がる私を心配して、そばについていてくれたという行動に思えました。このコはうちの裏のおうちで飼われていたようですが、引っ越しの際に置いていかれたようで、うちのまわりをうろついていたところ、窓の外を見た私と目が合い、なんとなくかわいいなあと思って外に出て煮干しを手にのせて出してみたところ、だいぶ時間をかけて遠回りをしながらでしたが、確実に私に近づいてはきて、私の手から煮干しを食べ、食べ終えると私の手に頬をスリっとしました。これが出会いで、当時動物が何もいなかったこともあって、このコはそのままうちのコに。まだ生後半年くらいだったのではないか思います。
 それから少しして、このコが少し太ってきたと思ったら、ある日突然急に痩せて、まさか!?と思ったら、軒下に子猫が6匹いました。このコ自身はキャラメル茶色だったんですが、子猫は4匹が同じキャラメル茶色、1匹は黒、1匹は三毛でした。この割合を見てキャラメル茶色って優勢遺伝なんだと思ったのもつかの間、可愛い!けど、どうしようと真っ青になりました。さすがに7匹は飼えないということで、父が4匹を保健所に連れていってしまいました。全員を取り上げると母猫がおかしくなるかもしれないということで2匹を残しましたが、なんてひどいことをしたのか。残った2匹はオス猫だったこともあり、他のオス猫に追いやられたかいつの間にかいなくなりました。
 その後、このコはすぐに医者で避妊手術をしまして、16歳まで生きました。亡くなる2年前の14歳のときに拡張型の心筋症になり、余命半年と診断を受けたものの、強心剤を飲んで2年は私のそばにいてくれました。私の学生時代という多感な時期を毎日一緒に過ごしていた、そばにいれくれた存在で、せめて姿だけでも残したい、一緒にいてほしいと、本気で剥製にしてもらおうと剥製屋さんに電話もしましたが、犬と猫の剥製はやっていないときっぱりと断られました。
 それからも幾度かペットの死には直面しまして、いつも色々な後悔もあるのですが、どれだけ幸せをもらっていたのか思い知ります。死の直前には毎日病院通いだったり、ご飯も食べなくなるので、色々手作りご飯を考えたりと、寝る間も惜しんでできる限り頑張るんですが、それは決して苦しいことではないんですね。遊びに行きたい、好きな映画を見たい、そういったことと同じで、自分がそれをしたいからしているんだと実感します。それだけ幸せをもらっているんだから当然といえば当然ですね。
 後悔しないように生きたい。自分のまわりを幸せにできる人でありたいです。

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