認知の風 その20 サ高住からの入居拒否

 認知症を発症してから5年、東京にきてから3年目に入り、まわりの方からの助言もあって施設入居を検討し始めました。母は足腰は週2回のデイサービスでの筋トレのおかげもあってしっかりしていて、歩行も問題ないどころか結構早く歩けるくらいです。ご飯を食べる、トイレに行く、着替えをする、お風呂に入る、も基本は自分でできます。当時は要介護1でしたので、特別養護老人ホームには入れず、正直介護付き有料老人ホームも他のもっと重度の方と一緒に行動することとなるのでさすがにつらいかなあと、入所したら認知症も一気に進行してしまうのではないかと思ったんですね。
 そこで考えたのがサ高住「サービス付き高齢者住宅」でした。普通の賃貸ワンルームマンションで、ヘルパーさんが常駐で食事がついているというもので、出入りも自由だし、今のデイサービスも続けられます。今のデイサービスは母も慣れているし、個人の能力や悪いところにあわせた運動も考えていただけるので是非続けたいんです。
 ちょうど家から比較的近いところにサ高住が1件あって、見学したところ問題はない感じです。ただ要介護1だと例えば朝起こしていただくとか、着替えの服を揃えてもらうとか、ヘルパーさんにお願いする介助を完全に別で頼むことになるのですが、お願いする内容量に介護点数が不足しそうです。
 ということで、まず私が計画したのは要介護を2以上にあげてもらうこと。当時はオムツもしていなかったし徘徊まではないし、体が元気だとなかなか介護度をあげるのは難しいそうなんですね。ですが、妄想が多いとか、昼夜逆転する、季節や日付がわからない、体では右目の視力が悪い等で、なんとか要介護2となりました。判定員さんに希望を聞かれたときに「要介護2以上にあげて施設を検討したい。」とはっきり申し上げたのでそれも考慮されたのかもしれません。判定員の方は判定結果の予想については勿論一切コメントできないわけですが「要介護2になるといいですね」とはおっしゃってくださっていました。判定を受けられる方は希望もしっかり伝えた方がよいかと思います。
 ところがいざサ高住に申し込もうとすると、施設側から入居を断られてしまいました。朝起こすから始まり、薬の提供とか、ゴミ捨て、お風呂のお湯はりと掃除等、1回10分程度ですが1日5回程度の介助をお願いしたところ、そんな対応はできないといわれました。基本は1回30分からで人を呼んでくることになるが、1日5回も無理だというわけです。
 サ高住は料理まではできないけれど、1人で普通に生活できる方しか入れないところなんだと理解しました。やってもらえても、食事と薬の声かけくらいかなあという感じですね。介護業界は人手不足でやむを得ないんでしょうが、最初に見学にいったときには「1回5分とかでもヘルパーさんを呼べるのが自宅と違って便利なところです」なんてPR説明もあったくらいなのに、いざではそれをしてほしいというと断られるのだというのが正直心外ではありました。
 ただまあサ高住は月30万円くらいはかかるんですね。それを考えたらと、母の年金で払える範囲でできる限り家事代行の方にうちに来ていただく方針に変更しました。現在も月曜から金曜まで毎日入っていただいてます。家事代行の方に事前に説明するのにかなり手間はとられるし、お皿を割ったり帰ったら床に食材ゴミが落ちているとかそういった問題も発生はしますけど、食事と掃除もお願いできているのでかなり助かってはいます。母本人も家が慣れてはいるし、ルーティーンも確立されてきていますので、まだしばらくは自宅介護を継続することになると思います。
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