認知の風 その7 味覚の変化

 認知症の影響かと思われる味覚の変化がありました。
 母と暮らし始めてグルテンフリーを実施するまでの約1年間、朝はパン食でした。私が物心ついた頃からずっと朝はパン食で、正直ご飯よりパンの方が手軽というのもあって当時はなんの疑いもなくパン食を続けていました。
 それが母が食パンを甘い甘いというんですね。東京のパンは甘い、と。普段パスコの超熟を食べていたのですが甘い甘いと言われて、次はヤマザキの超芳醇にしましたがこれもダメ。フジパン本仕込もダメでした。1斤98円とかで売っている安価な食パンだと甘くはないのですが味も美味しくない。数年前から食パン専門店が増えていますが、美味しいパンってだいたいそれなりに甘さがあるなあと改めて思いました。その甘さが美味しいんですけどね。
 それでたどり着いたのがマフィンとバケットでしたが、バケットだと今度は固いと。マフィンも何回か食べると甘いと言い出しました。逆手にとってレーズンパンにしてお菓子感覚で食べてもらうというのもなんとかOKでした。甘いお菓子は好きなんですけど、パンとか料理が甘いと文句言うんですよね。家でホームベーカリーでパンを焼いてもいたので、極力砂糖を減らして焼いてはみたものの、小麦粉自体に甘みもあるしでこれもいまいちでした。
 ちょっと話がそれますが、パン作りの話。パンはやっぱり粉選びかと、北海道産の「春よ恋」と「スーパーキング」をブレンドしていました。できれば国産オンリーで行きたいところですが、春よ恋はタンパク質が11%程度と少し低いんですね。スーパーキングは13%以上と結構多い。12%-13%くらいが最適と何かで聞きまして、ブレンドすることにしました。ちなみにそれぞれ1種類ずつでもパンを焼いてみましたが、やっぱり半々でブレンドした方が美味しかったです。人間もハーフは美男美女といいますが、小麦もハーフがいいようでした。ちなみにグルテンフリーをやってもう3年か。今年に入ってとうとうホームベーカリーは捨ててしまいました。使わないと結構場所をとって邪魔なんですよね。かれこれ5年以上は使っていたものなので、長年お疲れ様でしたと粗大ゴミに出しました。
 母の味覚の話に戻りますが、東京に来た当初はアイスクリームを食べたい食べたいともよく言っていました。これは認知症の人には多いっていいますよね。体がほてることも多いのか、冷たいものが好きなようです。
 それともう一つ。これは逆の話ですが、サンマやアジ等のお魚を焼くじゃないですか。焼く前にお酒を振って焼くんですが、それを塩辛い塩辛いというんですね。塩なんて振ってないんですがね。そもそも海にいる魚だからそれなりに塩分を含んでいるのはそうなんでしょうが、これもかなり難儀しました。アジの開きなんて辛過ぎて絶対食べられないですよ。もともと薄味派ではあるんですが、それにしても何も味付けしていない生の魚を焼いただけで塩辛いと言われたらどうしようもなかったです。とりあえず塩焼きはやめにして、イワシやカレイやタイのように煮つけに切り替えましたが、これも甘くすると甘い甘いと苦情がくるのでお出汁とお醤油くらいで煮つけるようにしました。また鮭とかタラのように大きな切り身だと塩辛いとは言われないので、鮭のムニエルとかタラのから揚げなんかをよくするようになりました。ブリもいいんですが、照り焼きにすると甘い甘いと苦情がくるので、そのまま焼いてお好みでお醤油をかけて食べてもらっていました。
 この味覚異常は1年くらいは続きましたか。栄養バランスが整って、栄養不良が改善されるにあわせて改善されたように思います。今ではアイスクリームを食べたいも言わなくなりました。
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